松葉観音堂
松葉観音堂は、あらぎ島の棚田を築き、有田川町の製紙業を興した、庄屋、笠松佐太夫(1598-1673)の子孫によって創建された仏教寺院である。
佐太夫は、有田川町の小峠地区に、数年前に破壊された観音堂の代わりに観音菩薩を祀る寺を建てようとした。しかし、佐太夫は地域を豊かにするための開発事業に私財のすべてを投じていたため、存命中にその夢を実現することはできなかった。1777年、佐太夫の曾孫がその願いを叶え、観音像を安置する松葉観音堂を建立した。
初春には「初午会式」が行われる。初午は、旧暦の2月1日の午の日に行われる行事で、現在は3月に行われることが多い。この日は、豊作祈願をするために、稲荷神に祈りを捧げる伝統的な日である。地元では、観音様に災難除けを祈る吉日ともされている。松葉観音堂では1778年から初午会式が行われている。
祭りの3日前から準備を始め、鏡餅と呼ばれる大きな円形の餅を作る。祭り当日は、小峠から鏡餅と餅花竿、幟を持った行列がゆっくりと寺まで練り歩く。鏡餅を観音様にお供えした後、地域最大の餅まきが行われ、縁起ものの小さい餅を取ろうと参加者が賑わう。