しみず温泉
しみず温泉は炭酸水素ナトリウム泉で、アルカリ性の泉質は古くなった角質を取り除き、毛穴をきれいにして肌をなめらかにするとされている。その歴史は、周辺地域の発展と密接に結びついている。

清水の住民は何十年も前からこの泉質の存在を知っていたが、入浴施設が作られたのは1980年代になってからである。当時、清水の人口は1960年の11,377人をピークに数千人にまで減少していた。雇用を創出し、観光客を呼び込むために、しみず温泉に公的財団が設立され、入浴施設と宿泊施設が建設された。

2024年には、元のしみず温泉に隣接して新しい入浴施設がオープンした。ミストサウナや檜の休憩室など、近代的な設備が整っている。地域を支えるという温泉の本来の目的に沿って、新施設の設計・施工の大部分は地元の専門家によって行われ、館内には有田川町産の良質な木材が建物全体に使用されている。

しみず温泉のもうひとつの目新しい特徴は、純粋な源泉を使った水風呂だ。ほとんどの温泉は源泉の温度が25度以上あり、水風呂として使うには冷水を加える必要がある。そのため、せっかくのミネラル成分が薄まってしまうという欠点がある。清水の泉温は17度から23度であるため、水風呂にはミネラルを豊富に含んだ原水が満たされている。